つれづれ

数年前より、総本山知恩院のおてつぎ信行奉仕団の指導員をさせていただいています。

おてつぎ信行奉仕団とは、知恩院で、勤行(お勤め:お経を唱える)・作務(お掃除)・聞法(法話を聴く)を通して、僧俗・年齢・性別・住所に関係なく、その時ご縁のあった人たちと2日間(1日もあり)修行するのです。
当山でも年に1回のペースで参加しています。

今回は、滋賀県と鳥取県の方とご一緒させていただきました。

鳥取県の方は、昨年「鳥取県中部地震」の影響もあり参加を中止されました。実はその時の指導員が私の予定だったのです。また、ご住職が以前奈良で仕事をしておられたり、私と同じ今は無き「少僧都養成講座」出身だったり、寺庭様が奈良県出身だったりで、怖くなるぐらいご縁を感じました。

無事1泊2日の奉仕団を終え、和順会館よりバスへ移動する時、団員最年長の97歳(参加回数33回)の男性が一言。「甘い!」と。
「今の奉仕団は甘い!昔はスリッパの脱ぎ方ひとつまで厳しく言われたもんじゃ!」と少々ご立腹されていました。

昔は行きからお酒を飲んで来る人がいたそうですが、今は見かけません。その一方で、足腰の不調や食事内容などにすぐ意見を言って我慢がうまく出来ず、快適に修行しようという人が増えているます。
これは奉仕団に限らず、お坊さんの修行に至るまで同じような傾向があると思います。
みんな真面目やけどラクが好きですもん。厳しすぎたら参加人数が減るかもしれませんしね。

「少僧都養成講座」の一期目に指導員先生よりかなり厳しくご指導をいただきました。2日目に僧侶になるのを辞めようかと思ったぐらいでした。でも今なら、あれがあったからよかったと思えることばかりです。もう1回やるかと言われたら「う~~~~ん」と悩むふりして何かすごくいい理由を考えて丁重に…(笑)

もちろん厳しく指導するにはかなりの覚悟が必要でしょう。総本山だからこそやらねばならんこともあるかもしれません。「う~~~~~ん」

今回の一言は、いろんなことを考えさせられました。素晴らしい善知識にご縁をいただきました。ありがとうございました。

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